2012年3月31日土曜日

ベルリン1919、ベルリン1933、ベルリン1945














ベルリンに住む家族の1919年、1933年、1945年の記録が三部構成で書かれている。中・高校生向きの本とされているが、相当覚悟を決めて読まないと最後までたどり着けないと思う。1冊1冊の本が分厚い。内容も時代背景をつかんでおかないと理解しにくいかもしれない。しかし、ぜひ読破して欲しい本である。生き方を変えうる力をもっている本である。一生のうちに、一度は呼んでおくべき本である。
私は、3冊目のベルリン1945を読みながら、涙が止まらなかった。頁をくくる度に、涙があふれて顔がくしゃくしゃになった。そして、ベルリン1919やベルリン1933を読むとはなしに、もう一度ペラペラと頁をめくってみた。反芻したかったのだ。悲しいとか悔しいとかいう感情で涙が出たのではない。感動して涙が出たというのはやさしいが、そういうレベルではない。涙を流すと言う自己表現でしか、この本を受け止められなかったのだ。それは、私自身が50代半ばであり、自分の人生をかさねることで、この本を理解できたからなのだと思う。
若い人たちはどのようにこの本を読むのか想像できない。しかし、若いうちに読んで、50代でもう一度読んでみて欲しいと思う。
主人公たちの強さや弱さを自分自身を重ねて味わうことの出来る本。そして、かく生きるべきだと勇気をもらえる本である。

クラウス コルドン、Klaus Kordon、 
酒寄 進一
理論社 (2006/02)
ISBN-10:4652077718
ISBN-13:978-4652077719


ベルリン終戦日記 ある女性の記録














ここ一ヶ月くらい、ベルリンに関する本を読みまくっているが、そのきっかけになった本。
1945年の4月から5月にかけてのベルリン。ドイツが崩壊し、ロシア軍がベルリンに攻め込む中での女性ジャーナリストの日々の生活の記録。爆撃が続く中での食料を探す毎日、そして、侵攻してきたロシア軍の兵士が暴力と陵辱の限りを尽くす(10万人の女性が被害にあったといわれる)。ロシア兵のあふれるベルリンでどのようにして生き延びたか、筆者はするどい筆致でたんたんと記録する。
その訴えるメッセージの強さに一度は発行が控えられ、再発行が可能になっても筆者は死後まで許さなかったという。
端座して読まねばならない本である。
9月中旬に出張で列車4日間の旅行に出かけることになった。電車の中でビデオを出でも観ようと思い、TUTAYAでレンタルしたDVDに「ベルリン陥落1945」というのがあった。最近読んでいる一連のベルリン本と関係あるかもと、裏書きなどもよく読まずに借りてきたのだが、まさしく「ベルリン終戦日記ある女性の記録」の内容だった。想像していたイメージにぴったりはまる描き方でよかった。特に崩壊したベルリンの街は印象的だった。販売が2010年11月なので、まだ発売前なのだがレンタルが先行して売られたらしい。
もちろん、本を読んでから、見た方がいいと思う。

ある女性,
山本浩司(翻訳)
出版社: 白水社 (2008/5/27)
ISBN-10: 4560092087
ISBN-13: 978-4560092088


ベルリン陥落 1945













第二次世界大戦終了のクライマックス、ドイツ第3帝国の最後を綿密な調査で描いています。
世界有数の都市であったベルリンでの市街戦。壮絶な戦いの中でも市民は生活をしていなくちゃならない。停電、断水、ガスがとまる、電話がつながらない、電車が走らない・・・爆撃で建物が崩壊し、兵士が殺し合う戦場になっていても、不自由な中での都市生活が続く。異様だ。
市民レベルのエピソードを積み重ねているので、分厚い本の割に読みやすいです。

白水社 (2004/07)ISBN-10:4560026009
ISBN-13: 978-4560026007


さらば、ベルリン















敗戦直後のベルリンを舞台にした小説。ドキュメンタリー的な描写も多く、冷戦の兆しを思わせる4カ国で分断されたベルリン市街の状況がよく伝わる。
主人公はかつてベルリンに住んでいたアメリカ人の記者で、恋人を残したまま戦争中はロンドンで過ごす。ポツダムでの首脳会談に合わせてベルリンに戻った主人公は、そこでかつての恋人を探し出し、ソ連とアメリカのスパイ戦に巻き込まれていく。
複雑な伏線が絡み合い、読み応えのある重厚な作品です。重いエピソードが続く中で、 最後の数ページ、じんわりとした温かさに包まれた幸せを感じることができました。
そんな思いをもったまま、映画になった「さらば、ベルリン」をレンタルビデオ店で借りてきて見ました。換骨奪胎。見なければ良かったです。登場人物たちの名前だけが同じですが、 テーマもストーリーも全く別もの。小説の登場人物を被せて見ていると混乱を起こします。名前が同じだけに最悪でした。ケイト・ブランシェットは良かったけれど。

ジョゼフ キャノン
早川書房(2007/02)
ISBN-10: 4150411360
ISBN-13: 978-4150411367

ベルリン・ダイアリー ナチス政権下1940−45

ベルリン終戦日記の作者が30代の女性ジャーナリストであり、飢餓と暴行の中での日常を冷徹に描いたのに対峙し、このベルリン・ダイアリーも20代前半の女性の戦時中での日常記録でありながらその内容に含む作者の強いメッセージが伝わってくる良書である。作者は20代前半の白系ロシア人でドイツに亡命してきた貴族の娘である。ロシア語を母語にしながら、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポーランド語を話せる才女で、ドイツ外務省に勤め、後のヒトラー暗殺事件(ヴァルキューレ作戦)に関係する人たちと日常を過ごしていた。本書は実際の日記であるため、その詳細は書かれることはなかったが、事件の緊張感が伝わってくる。爆撃で逃げ惑い、飢餓で食料を求めながらも、日記にはいたるところに美容院に行ったというくだりがある。それがリアルさを強く浮き上がらせる。
ベルリン終戦日記と合わせて読みたい本である。






















マリー・ヴァシルチコフ

白須英子訳

出版社: 中央公論社 (1989/07)

ISBN-10: 4120018393
ISBN-13: 978-4120018398




ベルリン物語 ー都市の記憶をたどるー













川口さんはドイツ在住のピアニストで作家。ドイツと日本の比較や政治・歴史などをキレの良い文章で書いておられる。テレビ番組でドイツと日本の政治の話をしていた川口さんをユーチューブで見た。素敵な女性だった。
 この本では、ドイツ帝国の成立から戦後までベルリンの歴史を分かりやすく書いている。ヴァルキューレで有名になったシュタウフェンベルグ大佐の事件なども章を起こした記述になっている。また、東西冷戦の初舞台となったポツダムの話など興味深い。ベルリン1919、ベルリン1933、ベルリン1945を読み進めるとき併読するとベルリンの歴史の流れのガイドになるだろう



川口マーン惠美
平凡社新書
ISBN-104582855199
ISBN-13978-4582855197

永遠の0















一気に読み終えてしまわせる力のある本です。ミステリー的な要素やドキュメンタリー的な要素もあります。日本が太平洋戦争をどのように戦ったかも自然に分かり、そうかそうだったのかと気づくことも多いです。
 私の父の世代と重なる内容でもあり、海軍航空隊にいた父もその場にいるような錯覚を覚えました。若い人にはぜひ読んでもらいたい本ですね。
重い内容にもかかわらず、読後にさわやかさも残りました。とても良い本だと思います。


百田尚樹
出版社: 講談社 (2009/7/15)
ISBN-10: 406276413X
ISBN-13: 978-4062764131